足関節捻挫

足関節捻挫は、足首の関節が可動域を超えて無理に動かされることで、その周りの軟部組織に損傷を引き起こす傷病です。スポーツや日常生活の中で頻繁に発生し内反捻挫と外反捻挫の2種類に分類されます。

足関節は腓骨が脛骨より長く脛骨側に捻りやすい構造になっています。そのため、一般的に捻挫と言われるのは殆どが内反捻挫です。その際に、外くるぶし周囲の靭帯を損傷します。

足関節捻挫のイラスト
足関節後方から

足関節捻挫の症状

内反捻挫は前距腓靭帯の損傷が最も多く、ついで踵腓靭帯の損傷となります。後距腓靭帯の損傷は稀です。

足関節は外反しづらい構造に加えて、内側の靭帯が強靭です。そのため、外反捻挫は起こりづらい捻挫です。しかし、起きづらい反面、受傷時には腓骨の骨折を伴うなど重症となる場合が多い捻挫です。内くるぶし周囲や足関節前面の腫れ、外くるぶし周囲にも腫れや痛みを伴う事も珍しくありません。

足関節捻挫の軽症では足首の外くるぶし周囲の腫れと痛み程度で、外見上それほど大きな変化は認められません。しかし、中等症・重症では皮下出血が起こったり、荷重・歩行ができなくなる事もあります。

足関節の靭帯のイラスト

治療

足関節捻挫の治療は、損傷の程度によって異なります。

軽症・中等症では外傷を受けたときの基本的な応急処置方法であるRICE処置(Rest: 安静、Ice: 冷却、Compression: 圧迫、Elevation: 挙上)を行います。

重症ではギプスやシーネでの固定を行います。靭帯の完全断裂や骨折の伴うものは整形外科で手術が行われる事もあります。

足関節捻挫は軽症でも靭帯が伸び、関節が緩くなり習慣性になることがあります。そのため、軽症でも初期治療が非常に重要です。

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