腸脛靭帯炎

腸脛靭帯炎は、ランナーやサイクリストなどに多く見られます。膝の外側の腸脛靭帯に痛みを引き起こす障害です。膝の屈伸をすると、腸脛靭帯が大腿骨の外側顆を乗り越えます。その際に反復して腸脛靭帯が擦れることにより、炎症を起こし痛みが発生します。

腸脛靭帯炎の原因

オーバーユース(過度の使用)とアライメントの不良が主な原因となります。距骨下関節の過回外のアライメント不良は腸脛靭帯を伸張します。また、O脚の方も腸脛靭帯が伸張されるため高リスクです。

長時間のランニングなどによる運動量の増加(オーバーユース)や下肢のアライメントの崩れが腸脛靭帯に過度の負担をかけ、炎症を引き起こします。

症状

腸脛靭帯炎の主な症状は、膝の外側に感じる痛みです。通常は運動後に痛みを感じることが多いですが、症状が進行すると運動中や日常生活(階段の昇降動作や、立ったりしゃがんだり)でも痛みを感じるようになります。

腸脛靭帯炎の治療

原則的には運動を中止し、安静を保つことが最も重要です。アイシングや消炎鎮痛薬の使用も効果的です。

腸脛靭帯炎の多くの症例でアライメントの不良(過回外)が見られます。適切な靴の選択をし、過回外を抑えるインソールを使用するなど下肢のアライメントを整える事も重要です。

また、ストレッチ・筋力トレーニングを行うことも推奨されます。腸脛靭帯や周囲の筋肉(大殿筋・大腿筋膜張筋・大腿四頭筋など)の柔軟性と強度を高める事が予防効果を高めます。

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