腱鞘炎(ドケルバン病)

ドケルバン病(狭窄性腱鞘炎)について

腱鞘炎(狭窄性腱鞘炎)は手首の親指側にある腱鞘に炎症が起こる傷病です。

短母指伸筋腱と長母指外転筋腱が、手首の背側にある手背第一コンパートメントを通過する部分で、肥厚した腱鞘に干渉し動きが悪くなり、親指を広げたり動かしたりする際に痛みを引き起こします。

スポーツや仕事で親指を頻繁に使う人や妊娠出産期の女性・更年期の女性に好発します。

腱鞘炎の症状

手首の親指側に痛みと腫れが生じ、親指を広げたり、手首を小指側に曲げたりすると痛みます。親指を握りこんだ状態で手首を小指側に曲げる、フィンケルシュタインテストを行うと痛みが増します。

腱鞘炎の説明図

治療

腱鞘炎は治療の開始が遅れるほど、治るまでに時間がかかります。軽症で治療を開始すれば、4週間程度でかなり軽快するものが多いです。重症になると、治るまでに半年以上かかることもあります。腱鞘炎はできるだけ早い段階で、治療を開始する事が大切です。

腱鞘炎はCM関節症と似たような場所が痛むため、鑑別も重要です。

初期治療では、患部の安静と消炎が大切です。必要に応じて、冷却材やパップ剤で患部を冷やします。更に、シーネやサポーター・包帯を使用して手首と親指を固定し安静にします。

強い痛みが落ち着いたら、前腕の筋肉のストレッチや手関節のストレッチを行います。

難治性のものは、整形外科で腱鞘内にステロイド注射を行う場合もあります。

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