腰部椎間板ヘルニア

腰部椎間板ヘルニアは、腰椎の椎間板の周囲にある線維輪が断裂し、髄核が飛び出して神経を圧迫することで痛みやしびれを引き起こす疾患です。20代から40代の比較的若い世代に多く見られるのが特徴です。

腰部椎間板ヘルニアの説明イラスト

原因

加齢変性により椎間板の弾力性が失われると、繊維輪は断裂しやすくなります。重量物を持ち上げるような作業や長時間の座位などは高リスクです。その他にも、遺伝要因(骨格や体質)などが原因となり繊維輪が断裂し発症します。

腰部椎間板ヘルニアの症状

腰と臀部の痛み、片側の下肢の痺れが一般的な症状です。下肢に力が入らなくなり、スリッパを履いて歩くと脱げてしまうようになることもあります。また、馬尾神経が圧迫されると膀胱直腸障害が起き排尿・排便のコントロールができなくなります。

急性の場合、強い腰の痛みで起き上がれなくなる例も少なくありません。

診断と治療

SLRテスト(下肢伸展挙上テスト)・FNSテスト(大腿神経伸長テスト)などを行います。確定診断はMRIによる画像診断によって行われます。

これらのテストは、腰部脊柱管狭窄症や梨状筋症候群などとの鑑別する上でも重要です。

SLRテスト・FNSテストのイラスト

腰部椎間板ヘルニアの8割は保存療法で症状が改善すると言われています。しかし、飛び出した髄核が消失し断裂した繊維輪が修復されるまでには3ヶ月~6ヶ月と長期を要します。

膀胱直腸障害がある場合、しびれや脱力などの神経根症状が強い場合は、手術適応となる事もあります。

当院では髄核の吸収と、繊維輪の修復を促すFMT腰痛治療を行っています。FMT腰痛治療は椎間板への減圧と運動療法を同時に行います。これらは、椎間板ヘルニアに特に有効な治療方法です。

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