腱板損傷(断裂)

腱板は、棘上筋、棘下筋、小円筋、肩甲下筋の4つの筋肉から構成されています。この4つの筋肉の腱どれかが損傷した状態が腱板損傷です。棘上筋と棘下筋の損傷が多く、その中でも棘上筋の損傷が一番多くなっています。

棘上筋が肩関節の外転。棘下筋が外旋と水平伸展。小円筋が外旋。肩甲下筋が内旋と水平屈曲。という動きをそれぞれ担っています。

腱板損傷の原因

転倒や急に力を入れた際など大きな外力が原因での急性の腱板損傷と、加齢変性した腱板が日常生活の反復動作などで損傷する場合があります。

症状

損傷を受けた筋肉が担う動き(画像参照)をした際に痛みが出ます。夜間痛や、力が入れづらいなどの症状が出る事もあります。

腱板損傷の症状は、四十肩・五十肩と似ています。大きな違いは、拘縮があるかどうかです。四十肩・五十肩の場合は、他の人が腕を持ち上げても上がりません。

腱板損傷の治療

断裂した腱板が保存療法で元に戻る事はありません。しかし、多くの腱板損傷は日常生活に支障がない程度に回復します。

急性の損傷では、包帯と三角巾による固定を行います。固定期間は損傷の程度によって異なりますが、概ね2週間~3週間です。その後、運動療法を行います。急性の完全断裂は手術適応となります。

加齢変性が原因の慢性的な痛みは、積極的に運動療法を行い、機能回復を図ります。

回復までの期間は腱板損傷の程度に異なり、早いものでも2ヶ月程度かかります。損傷の程度が大きいものや、肩を頻繁に使う方では半年以上かかる事もあります。

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