距骨下関節は距骨と踵骨から構成され、距踵関節とも呼ばれます。三次元の複雑な動き(回内・回外)をする関節で、歩行中は距骨下関節が回内・回外することにより足部を柔らかくし衝撃を吸収したり、固くして蹴りだしを良くする役割を担い、足の機能に重要な役割を果たしています。
しかし、正常な回内・回外の動きから外れ、過回内・過回外の動きになると歩行バランスが崩れ、様々な障害を引き起こします。
過回内(オーバープロネーション)
過回内とは足にある距骨下関節という部分で、過度に回内(土踏まずを潰す動き)してしまう動きを言います。距骨下関節が回内すると下腿部は内旋→膝関節は外反→股関節は屈曲・内転・内旋という様に上行性に運動連鎖します。回内の動きが大きくなりすぎると足だけでなく、膝や股関節、腰などにも障害が発生します。過回内は主に、外反母趾・有痛性外脛骨・足底腱膜炎・モートン病・種子骨障害 ・シンスプリント・膝関節のX脚変形・鵞足炎などの障害を引き起こしやすくなります。
過回外(オーバーサピネーション)
過回外は過回内と反対に、距骨下関節で過度に回外(捻挫をする動き)してしまう動きを言います。距骨下関節が回外すると下腿部は外旋→膝関節は内反→股関節は屈曲・外転・外旋という様に上行性に運動連鎖します。回外の動きが大きくなりすぎると足だけなく、膝関節・股関節・腰などにも障害が発生します。過回外は主に、内反小趾・習慣性の足関節捻挫・腓骨筋腱炎・足底腱膜炎・膝関節のO脚変形・腸脛靭帯炎などの障害を引き起こしやすくなります。
過回内・過回外の予防
正しいサイズの靴を正しく履く事によって、距骨下関節の過回内・過回外は予防する事が可能です。また、過回内・過回外の状態になってしまっても、靴・インソールで改善する事ができます。
トラブルを抱える方の多くは足に合わない大きすぎる靴を履いている事が殆どです。まずは自分の足のサイズを知り、正しい靴の履き方を身に着ける事が重要です。何度も繰り返す痛みや、いくら治療しても良くならない痛みの原因は靴かもしれません。